キャラクターと知的財産（21）「米国コンバースの輸入」

◆ キャラクターと知的財産（21）
「米国コンバースの輸入」

　海外からの模倣品流入に対する規制を強化する改正商標法が本年10月1日に施行されます。これにより、外国の事業者が模倣品を国内に持ち込む行為が権利侵害とされることになります。

　ここで、コンバースの商標権者は、海外と国内とで異なっているため、海外では正規品であっても、これを外国の事業者が国内に持ち込めば、商標権侵害になってしまいます。これまでは、個人使用目的の輸入であれば、商標権侵害に該当しないとされていましたが、今後は注意が必要でしょう。

　ただし、今回の改正により新たに権利侵害となる行為は、外国の事業者が、通販サイトで受注した商品を購入者に届けるため、郵送等により日本国内に持ち込むような行為であって、あくまで外国事業者の行為を射程にしたものです。個人使用目的で海外で購入した商品を自ら国内に持ち帰る行為については、今回の法改正の対象外です。

（石塚特許商標事務所　弁理士・石塚勝久）

《石塚勝久氏・プロフィール》
1973年生まれ。2000年に大手特許事務所に入所。国内外の商標・意匠業務を専門に扱う。2015年に独立し、石塚特許商標事務所を開設。

当コーナーは、キャラクターにまつわる法律問題についての連載コラムです。
キャラクタービジネスに関わる初級・中級・上級者に向け、不定期に掲載します。
キャラクターを守る知的財産権のプロフェッショナルの弁理士・石塚勝久氏に、わかりやすく教えていただきます。是非、お楽しみください。

過去の連載は、こちらから見られます。

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