イラストレーター原田治氏による「OSAMU GOODS」は、1976年に商品化されて以来、現在も多くの人に親しまれているキャラクターです。
その誕生の経緯と、現在の状況について、1997年よりライセンスエージェントを務める株式会社コスモマーチャンダイズィングに訊きました。
また、これから発売される新商品情報もご紹介します。
▲ あべのロフト(大阪府大阪市)の「OSAMU GOODS」コーナー(2020年6月撮影)
「OSAMU GOODS」の誕生
1970年代中頃、原田治氏は株式会社コージー本舗よりキャラクター制作の依頼を受け、イギリスの伝承『MOTHER GOOSE』をもとに『OSAMU’S MOTHER GOOSE』を作成しました。『OSAMU’S MOTHER GOOSE』は“かわいい”というイメージで世の中に広がり始めます。
1976年、原田氏は“アメリカンテイストのPOPでかわいい”キャラクターを描き、「OSAMU GOODS」の商品化がスタートしました。
コージー本舗は販社として子会社のダスティーミラーを設立、コージー本舗が商品製造、ダスティーミラーが販売するという流れができます。
こうして『OSAMU GOODS』が誕生しました。
原田氏は原画を描き、商品のデザイン、製造や監修まですべてに携わっていました。
原田治 プロフィール
・1946年東京都中央区築地生まれ。
・幼少のころから絵画に興味があり洋画家である川端実に師事。
・青山学院中等部、高等部を経て多摩美術大学(グラフィックデザイン科)卒業。
・1970年「an・an」(マガジンハウス)創刊号にイラストを掲載し、イラストレーターとして本格的に始動。
・1976年POPでかわいらしいテイストの『OSAMU GOODS』が誕生。
・1979年安西水丸、ペーター佐藤、新谷雅弘と共にパレットクラブ結成。
・1997年プロのイラストレーター、クリエイターや絵本作家のプロ養成スクールを設立。
・2016年11月逝去
原田治 幼少期の生活
第二次世界大戦直後の幼少期は銀座や青山(原田治氏が絵画を習っていた場所)には多くの米兵がいて、アメリカナイズされた街になっていました。
銀座にはアメリカンファーマシー、青山にはワシントンハイツ(米兵家族の住居)があり、米兵向けに作られたショップ、キデイランドがありました。
1950年、60年代の築地、銀座、青山での生活を送っていた原田治氏はアメリカ文化に強い憧れを抱き、大きな影響を受けていきました。
ライセンスエージェントに現状をインタビュー
ライセンスエージェントを務める株式会社コスモマーチャンダイズィングの黒住正治さんに「OSAMU GOODS」の現在の状況について訊きました。 (メール取材:2020年6月24日)
編集部:まず貴社の立ち位置について教えてください
コスモマーチャンダイズィング黒住正治さん(以下 コスモ黒住さん):弊社は「OSAMU GOODS」のライセンスエージェントです。ライセンサーはコージー本舗様になります。
編集部:主なファンや購買層は?
コスモ黒住さん:幅広い年代のファンがおり、3世代をターゲットにしています。1990年代にファンクラブがあった当時は、約2万人の会員がいました。 現在は、原田治氏が現役当時からのファン層は50代~60代になり、祖父母 →父母 →子という流れで幅広い年齢層に認知されています。
第一世代のファンは50歳代、60歳代の女性が中心です。「OSAMU GOODS」は1976年から販売されており、この世代が純粋な「OSAMU GOODS」ファンとなります。
第二世代は、30歳代の女性。第一世代の子供にあたり、ミスタードーナツの影響もあって「OSAMU GOODS」ファンになった人もいます。
第三世代は、10代〜20代の若者です。この世代には「OSAMU GOODS」、原田治ファンの男性もいらっしゃいます。
展示会を開催すると、第一世代(50歳代〜60歳代の女性)が多く買い物をされ、客単価は他のプロパティの2倍ほどになります。
編集部:原田治氏というとミスタードーナツのキャラクターが有名ですよね
コスモ黒住さん:そうですね、ミスタードーナツの景品として原田治氏をご存知の方も多いかと思います。あの作品も原田治氏が描いたものですが、実は弊社がライセンスしている「OSAMU GOODS」とは異なるものなんです。
1976年に『OSAMU’S MOTHER GOOSE』が出版され、その挿絵のキャラクターをもとに「OSAMU GOODS」が誕生しました。当初、「OSAMU GOODS」はコージー本舗様が販売会社として子会社のダスティーミラー社を設立し、同社が専属販売を行いました。 そのため、昔の商品には「ダスティーミラー」の社名が印刷されていますが、弊社がライセンスしてからの現在の商品にはその記載はありません。
編集部:そうだったんですね。
昨年の世田谷文学館での展覧会はいかがでしたか?
コスモ黒住さん:2019年7月13日〜9月23日に「原田治展 『かわいい』の発見」を世田谷文学館で開催しました。 動員数は世田谷文学館の歴代ベスト3に入り、物販も好調でした。
50歳〜60歳の第一世代のファン、その下の30〜40歳の世代は、ダスティーミラー社製(コージー本舗が販社として設立した子会社)の「OSAMU GOODS」の購買経験があると思うのですが、さらに下の10〜20歳代の若者、学生が多く来場し、幅広い世代に好評を博しました。女性が多い中で、原田治ファン、イラストやデザインに携わっているような男性も目立ちました。
編集部:今後の展開予定について教えてください。
コスモ黒住さん:「原田治展 『かわいい』の発見」を以下の日程で、巡回開催します。
清須市はるひ美術館(愛知県清須市) 2020年7月4日〜8月30日
また、2021年9月に「OSAMU GOODS」が発売45年目を迎えるにあたり、45周年イベントの開催を検討中です。
編集部:現在展開中の商品について教えてください。
コスモ黒住さん:1,000SKU程度を展開中です。ナカジマコーポレーション、ルートート、学研ステイフル、スケーター、林、ほぼ日、マークス、ファイブフォックス、マイムコーポレーションなど35社から商品が発売されています。
編集部:イベント開催に新商品の発売など、今後も明るい話題が続きますね。これからの展開も楽しみにしています! この度はインタビューのご協力ありがとうございました!
※マークスの新商品、MONO COMME CAのコラボ商品を、この記事の後半でご紹介します!
「OSAMU GOODS®」 ステーショナリーコレクション
デザインステーショナリーの企画・販売を行うマークス(MARK’S Inc.)から、「OSAMU GOODS」の新アイテムが登場!
丸ポーチ
両面に異なるキャラクターがプリントされたミニポーチ。小銭や折りたたんだ紙幣が入るサイズで、マチ付きの便利な仕様です。
3SKU 各1,800円+税 9月上旬発売予定
マスキングテープ・セパレート
1枚ずつはがして使えるダイカットタイプのマスキングテープ。手帳に貼ったり、手紙に貼ったり、様々なシーンで活躍します。
2SKU 各860円+税 9月上旬発売予定
刺繍ステッカー
ノートや手帳、布にも貼れる、シール・アイロン両用タイプの刺繍ステッカー。オーガンジーやスパンコールがアクセント。
6SKU 各500円+税 9月上旬発売予定
ファッション性のあふれるMONO COMME CAコラボ
2020年6月より「OSAMU GOODS」と「モノコムサ」のコラボグッズの販売がスタート。携帯に便利なエコバッグやハンカチタオルなど、普段使いに便利なアイテムが発売中。
ⓒOSAMU HARADA/KOJI HONPO Licensed by COSMO MERCHANDISING
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