急成長のシブい猫キャラクター
今秋にも関連グッズが約200種類へ。

世界的な猫ブームの中、猫キャラクター界に、老け顔の個性派スタァ猫（？）が登場した。「世にも不思議な猫世界」だ。アイピーフォー（東京都豊島区）のカプセル玩具がスマッシュヒットし、いろいろなメーカーがグッズなどを作るライセンス展開へ発展。関連グッズは、この6月で75ＳＫＵ（種類）に上る。

6月現在、5社から関連グッズが発売されている。

トーシンパック

ポーチ　3種　各1,200円+税（トーシンパック）

シナダグローバル

もちもち巾着　3種　各980円+税（シナダグローバル）

松尾繊維工業

ミニティッシュポーチ　1,400円+税（松尾繊維工業）

ワタナベ

Tシャツ　4種　各2,900円+税（ワタナベ）

グルマンディーズ

スマートフォンケース　3種　各3,680円+税（グルマンディーズ）

上記ライセンシー企業からこの他にも新商品が登場。さらに、下記メーカーも加えて、秋までに約200SKUを商品化予定！

○ アートウエルド（財布類）
○ サン・アロー（ぬいぐるみ）
○ サンタン（ファンシー雑貨、ランチグッズ、絆創膏）
○ ナカジマコーポレーション（チャムコレ、メガネケース等）
○ ポマト・プロ（クリアファイル/催事用）
○ K-Vision（韓国エージェント）

■ コーナーを作る戦略が奏功

2016年10月から『世にも不思議な猫世界』のライセンシングを行うアイピーフォー。同社が重視したのが、〝1社多品種〟での商品化戦略だった。複数のライセンシーがそれぞれで単品を発売しても、商品をまとめられず、売場がコーナーを作りにくい。これを解決すべく、1社だけでも棚が作れるような商品構成をライセンシーに呼びかけた。この甲斐あって3月にトーシンパックがポーチ、メモ、アクリルキーホルダーなど多品種を発売し、好調。シナダグローバル、松尾繊維工業、ワタナベ、グルマンディーズがこれに続き、6月時点で75ＳＫＵに達した。秋口には200ＳＫＵを超える勢いで商品化が進んでいる。

催事・販売店が拡大中！

【3月】　今回の商品化の前から作者のオリジナル商品を展開していたヴィレッジヴァンガード アスナル金山店で「世にも不思議な猫世界」展がスタート。同展はヴィレッジヴァンガード計4店舗を巡回。
【4月】　21日よりリニューアルオープンしたキデイランド大阪梅田店に併設のネコマートで写真展などを実施。好調につき、実施期間を延長した。
【5月】　22日よりキデイランド原宿店で販売開始。
【6月】　21日から7月4日まで、新宿マルイ 本館1Fイベントスペースで「ねこ市場」を実施。

 

人気上昇中！
「世にも不思議な猫世界」とは？

■ インスタでも話題！「世にも不思議な猫世界」の概要

作家のＫＯＲＩＲＩ（コリリ）さんが、2015年にＬＩＮＥクリエイターズスタンプで発表した猫のキャラクター。洋食店を経営していたり、学校に行ったり、人間のように暮らす猫の世界を描いている。画風は繊細かつシブめ。思わず触りたくなるようなシワや苦渋の表情で、猫達に人間味を与えている。実生活で作者と暮らす、福島の保護猫「春男」と「みかん」などをキャラクター化しているため、猫の毛並みまでリアル。
コリリさんのインスタグラムのフォロワーは2万7千人超。ＳＮＳでキャラクター画像や猫動画を公開し、商品情報や売場情報も発信している。猫の保護活動にも積極的で、愛猫家の支持を集めている。

作中に登場する猫キャラクター

洋食春男（世にも不思議な猫世界）

みかん（世にも不思議な猫世界）

ニャン子（世にも不思議な猫世界）

■ カプセル玩具開発で見えた人気キャラへの道

新キャラクターの商品化が難しいご時世にあって、アイテムが広がっている「世にも不思議な猫世界」。
商品化拡大のきっかけになったのは、2015年12月にアイピーフォーが発売したカプセル玩具だ。
第一弾として「ぶらりマスコット」を発売したところ、展開のロケーションは少ないながらも消化率は上々だった。これを受けて、翌’16年7月に第二弾「顔ポーチコレクション」を発売。続く第三弾の「猫の何とも愉快な姿ポーチ」は今年（’17年）5月に発売し、広範囲のロケーションに導入店が広がった。
7月には、顧客からの要望を受けて「顔ポーチ」の再販が決定。さらに秋口には第四弾の発売を計画するなど、人気キャラクターへの道を歩んでいる。
主な購入者層は、ＬＩＮＥスタンプを使う20〜30代女性が中心。7対3で男性のファンも存在する。

アイピーフォーのカプセル玩具 カプセル玩具 第一弾　ぶらりマスコット（2015年12月発売）

カプセル玩具 第二弾　顔ポーチコレクション（2016年7月発売） カプセル玩具 第三弾　猫の何とも愉快な姿ポーチ（2017年5月発売）

【開発秘話】

可愛すぎはNG!?
犬派の担当者をもＫＯ（ノックアウト）!!

「世にも不思議な猫世界」の魅力にいち早く気づいた、アイピーフォーの髙橋友美さん（写真・左）に、カプセル玩具の開発の経緯を聞いた。

「ＬＩＮＥクリエイターズスタンプの発売がスタートした頃、自分で使うキャラクターを探している時に『世にも不思議な猫世界』に出会いました。当時の猫のデザインは、実写に近いか、可愛くデフォルメしたものばかりで、実写では面白みがないし、可愛すぎるものも使いにくいと思っていました。『世にも不思議な猫世界』はそのどちらでもなく、すぐに購入を決めました。キャラクターが個性的で、優しいタッチの手描きの絵も、いいんですよね。スタンプを送った時の周囲の反応も良かったので、商品化もいけるのでは？と提案しました」。

監修を担当している原 由布さん（写真・右）は、人気の秘密に作者のコリリさんの魅力を上げる。「30種類以上の猫キャラクターがいて、デザインバリエーションが豊富です。コリリさんのインスタグラムのフォロワーも多く、発信力があります。ファンに直接、商品情報や売場情報を発信していただけるのもありがたいです。時にはご自身の携わる猫の保護活動なども伝えており、イラストが素敵なだけでなく、愛猫家としても存在感があります」。

取材時、髙橋さんが犬好きであることが判明。「犬派の私でも惹かれるくらい気になる猫キャラクターです」。ハマる人が増えるのも納得だ。

アイピーフォー
2002年設立。キャラクターやブランドのライセンス事業と、カプセル玩具の企画・製造などを行う。

©KORIRI

ファンシーショップ紙　6月25日発行号「注目キャラクター特集」より